こんにちは。
社会福祉士・介護支援専門員として、40年以上介護・福祉の現場に関わってきたふーたろです。
ご家族の介護をしている方にとって、冬は一年の中でも特に気を張る季節ではないでしょうか。
「転ばないか心配」「体調を崩さないか不安」と、頭の片隅で考え続けながら過ごしている方も多いと思います。
私が相談を受けてきた家族介護者の多くが、冬になると口をそろえてこう話されます。
「何かあったらどうしようと思って、気が休まらない」
在宅介護における冬の不安は、決して気のせいではありません。生活環境も体の状態も、確実に影響を受ける季節だからです。
この記事では、家族介護の冬が少しでも楽になるように、現場経験をもとにした現実的な工夫をお伝えします。
完璧を目指す必要はありません。できるところからで大丈夫です。
冬の家族介護で不安が増えやすい理由
[image:elderly care]
寒さによる転倒リスクが一気に高まる
冬になると、高齢者の体は寒さに順応しにくくなります。
筋肉や関節がこわばり、立ち上がりや歩き始めが遅れることで、転倒の危険が高まります。
特に夜間のトイレ移動や朝起きた直後は、家族介護の現場で事故が起こりやすい場面です。
「今までは大丈夫だったから」という安心感が、冬には通用しなくなることもあります。
これは衰えではなく、季節の影響である場合も多いのです。
ヒートショックなど冬特有の体調変化
暖かい部屋から寒い廊下や浴室へ移動すると、血圧が急激に変動します。
このヒートショックは、めまいや意識障害の原因になることもあります。
在宅介護では、家族が最初に気づく存在になるケースがほとんどです。
外出や活動量が減り、元気がなくなる
寒さのため外出を控える日が続くと、体を動かす機会そのものが減ってしまいます。
すると筋力低下だけでなく、気力や意欲の低下も目立つようになります。
「冬になってから急に元気がなくなった」という相談は非常に多いです。
介護する家族の疲れが表に出やすい
家族介護では、日々の小さな緊張が積み重なります。
冬はその緊張が長く続きやすく、心身の疲れが表に出やすい季節です。
「自分がしっかりしなきゃ」と頑張りすぎてしまう方ほど、注意が必要です。
在宅介護の冬にできる住環境の工夫
家の中の寒暖差を減らすことが第一歩
在宅介護では、居間とトイレ・廊下の温度差が大きくなりがちです。
この寒暖差が、転倒や体調不良の大きな原因になります。
すべてを完璧に暖めなくても、「急に冷えない」環境を意識するだけで違います。
足元の安全は家族介護の基本
冬は冷え対策のために靴下を重ね履きすることがありますが、滑りやすくなることもあります。
滑り止め付き靴下や室内用シューズは、在宅介護の冬対策として非常に有効です。
家族だからこそ、歩き方の変化に気づいてあげられます。
夜間の移動を前提にした環境づくり
冬は日照時間が短く、夜間の移動が増えます。
足元灯や人感センサーライトは、転倒予防だけでなく家族の不安軽減にもつながります。
「転ばせない工夫」は、責任ではなく思いやりです。
冬の体調管理で家族ができること
冬こそ水分不足に注意する
冬は喉の渇きを感じにくく、水分摂取が減りがちです。
脱水は、便秘やふらつき、意識障害の原因になることもあります。
「お茶飲もうか」という一言が、体調を守るきっかけになります。
入浴は無理をしない選択も正解
寒い日の入浴は体への負担が大きくなります。
浴室を暖める、短時間で済ませる、場合によっては入浴を控える。
こうした判断も、家族介護としてとても大切な視点です。
「いつもと違う」を見逃さない
元気がない、食欲が落ちている、息切れが強い。
こうした変化は、冬の体調悪化のサインかもしれません。
家族だからこそ気づける違和感を、大切にしてください。
家族介護を続けるために忘れてほしくないこと
家族介護がつらく感じるのは自然なこと
介護は、気持ちが強い人ほど無理をしてしまいがちです。
特に冬は、心も体も疲れが出やすい季節です。
「つらい」と感じること自体が、介護を真剣に考えている証拠です。
制度やサービスは家族の味方
介護保険制度やサービスは、家族の負担を軽くするためにあります。
在宅介護の冬こそ、デイサービスや訪問介護を上手に使ってください。
頼ることは、決して手抜きではありません。
おわりに
家族介護の冬は、不安も疲れも増えやすい季節です。
それでも、少しの工夫と視点の変化で、介護は確実に続けやすくなります。
この記事が、あなたが「一人じゃない」と感じるきっかけになれば幸いです。
