就労と介護を両立!介護休業・介護休暇・時短勤務の制度解説

介護

導入:仕事と介護を両立するのは無理・・と思っていませんか?

「親の介護が始まったら、もう仕事を続けるのは無理かもしれない…」
そんな不安を抱えている方は少なくありません。実際に私が相談を受けてきた中でも「退職を考えています」という声を何度も耳にしました。

しかし、国や企業には仕事と介護を両立するための制度が用意されています。
制度を知り、正しく活用することで「辞めなくても大丈夫」な働き方を選べるのです。

この記事では介護休業・介護休暇・短時間勤務制度を中心に、現場で見てきた体験談も交えながら、安心して働き続けられる方法をご紹介します。

介護休業とは? 取得条件・期間・給付金

care leave

介護休業の基本的な仕組み

介護休業は、家族に介護が必要になった際に最長93日間まで取得できる制度です。
対象となるのは「配偶者・父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫」など、2親等以内の家族です。

私がケアマネとして働いていた時も、この制度を利用してお母さまの入院と退院後の準備にあてた方がいました。「時間が取れたおかげで安心してケアできた」とおっしゃっていました。

取得条件と手続き

介護休業を取得するには、通常は事前に会社へ申し出が必要です。
勤務先によっては書式が決まっている場合もありますので、まずは就業規則を確認してみましょう。

注意点として、雇用期間が6か月未満の方や日雇い労働者は対象外となるケースがあります。

給付金(介護休業給付金)

介護休業中は、雇用保険から休業開始時賃金の67%が支給されます。
無給だと思って諦めていた方も、この給付金があることで「経済的に何とかなる」と利用するケースが増えています。

例えば、あるご利用者の娘さんは「給付金のおかげでパートを辞めずに済みました」と話していました。大きな安心材料になりますね。

介護休業の注意点

介護休業は1人の家族につき通算93日しか使えません。
「一度にまとめて使う」か「分割して使う」かをよく考えて計画的に利用することが大切です。

一概には言えませんが、長期入院や施設入所前の準備期間などに活用される方が多いです。

介護休暇との違い 時間単位で使うことができる!

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介護休暇の概要

介護休暇は年5日(対象家族が2人以上なら10日)取得できる制度です。
大きな特徴は半日単位・時間単位で取得できる点です。

たとえば「通院の付き添い」や「デイサービスのお迎え」など、ちょっとした用事に使いやすいのが魅力です。

介護休業との違い

介護休業が「数か月単位の長期休み」であるのに対し、介護休暇は「短時間での柔軟な対応」に向いています。
現場の感覚では「点」と「線」の違いと考えるとわかりやすいでしょう。

給与の扱い

介護休暇は無給の場合が多いですが、企業によっては有給扱いとしているところもあります。
「介護休暇中も給与が出るかどうか」は会社によって異なるため、必ず確認しておきましょう。

実際の活用例

以前、私が相談を受けた男性会社員の方は「母の通院付き添いに午前半休を取れるようになって助かりました」と話していました。
柔軟に休めることで仕事と介護の両立がしやすくなるのです。

短時間勤務やフレックス勤務制度の活用方法

flexible work

短時間勤務制度とは

介護のために1日の労働時間を短縮できる制度です。
例えば「9時から16時まで」など、フルタイム勤務が難しい方に適しています。

フレックス勤務制度の特徴

フレックス勤務では、勤務開始や終了の時間を自分で調整できます。
「朝は訪問介護の手配をしてから出勤」「夕方に病院へ迎えに行く」といった使い方が可能です。

会社による導入状況

すべての会社が導入しているわけではありませんが、近年は働き方改革の流れで柔軟な勤務制度を導入する企業が増えています。

「介護離職防止」を掲げる企業も多く、従業員に長く働いてもらうための環境整備が進んでいます。

活用のポイント

短時間勤務やフレックス勤務は、介護だけでなく自分自身の心身の負担軽減にもつながります。
「無理して働き続ける」よりも「制度を使いながら長く働く」方が、結果的に家族にも安心を与えられます。

会社の人事部や上司への伝え方のコツ

business communication

早めに相談する

介護は突然始まることが多いため、困ったときにいきなり休むと職場に迷惑がかかります。
早めに相談することが信頼関係を保つカギです。

事実を簡潔に伝える

「親が入院して介護が必要になった」「通院の付き添いがある」など、具体的な状況を伝えると理解してもらいやすいです。

制度の内容を調べてから伝える

あらかじめ「介護休業を使いたい」「時間単位の休暇を取りたい」と制度を踏まえて伝えると、上司も対応しやすくなります。

誠意を持った姿勢

「ご迷惑をおかけしますが、こうすれば両立できます」と前向きな姿勢を示すことも大切です。
私の経験では、この一言があるかないかで職場の雰囲気が変わることもありました。

制度を実際に使った人の体験談

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介護休業を利用したAさん

Aさんはお父様の退院後、自宅介護を始めるために介護休業を取得しました。
「準備期間に余裕が持てて、焦らずスタートできた」と話していました。

介護休暇を活用したBさん

Bさんは母親の通院付き添いのため、時間単位で介護休暇を利用しました。
「半日単位で休めたので、収入に大きな影響が出なかった」とのことです。

短時間勤務を選んだCさん

Cさんは「夕方にデイサービスのお迎えがあるため」短時間勤務を選びました。
「仕事も家庭も無理せず続けられている」と笑顔で話していたのが印象的でした。

私が現場で見てきたケース

相談員として感じるのは、制度を「知らない」ために退職を選んでしまう人が多いことです。
逆に「知って使えた」方は、働き続ける安心感を得て前向きに介護に取り組んでいます。

まとめ:まずは会社の就業規則を確認してみましょう

介護と仕事の両立は決して簡単ではありません。
しかし介護休業・介護休暇・短時間勤務・フレックス制度などを上手に使えば、「辞めなくても大丈夫」な道が見えてきます。

まずは会社の就業規則を確認し、自分に合った制度を選びましょう。
そして不安なときは一人で抱え込まず、上司やケアマネ、地域包括支援センターにも相談してみてください。

あなたが安心して働き続けながら、大切な家族を支えられるよう願っています。